戦士のズル休み | 102年も生きた人の話



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2013.01.26

102年も生きた人の話

 

 

 

 

1月24日の夜、母から電話が。

 

「さっき、夜7時、おばあちゃん亡くなったから」

 

やっぱり駄目だったか…

「母方の祖母が危篤」という知らせが届いたのは、

1月19日の夜だった。

一時は持ち直したそうだが、

1月24日19時、眠ったまま息を引き取った。

死因は老衰。

享年102歳の大往生だった。

 

 

 

 

「とにかく、仕事あるけど、通夜だけはなんとか出るから」

 

1月25日、仕事を早退して帰省。

通夜の会場は聞いてなかったが、

地元の町には葬儀場は2軒しかないのですぐにわかった。

葬儀場に入ると、従姉妹のお姉さんが3人、出迎えてくれた。

 

 

 

 

母方の祖母とは同居はしていなかったが、

同じ町内に住んでいた。

夫が亡くなると長男の家に引き取られていたが、

80代になった頃から「老人ホームに行きたい」と言い出し、

希望通り入所させると「家に帰りたい」と言い出したり、

認知症なのかただのわがままなのか、

親族も手を焼いていたようだった。

 

 

 

 

やがて90歳を過ぎると、病院で寝たきりの生活を送るようになった。

自分も母や兄と一緒に何度か会いに行ったが、

最後に行った時は自分のことは忘れられてしまっていた。

 

 

 

 

 

危篤状態から一旦持ち直した時、

病院の先生から、

 

「おばあちゃん、25日にレントゲン撮ったり、検査するからね」

 

と言われていたが、その1日前に亡くなってしまった。

病院の先生は、

 

「おばあちゃん、いつも検査嫌がってたからね。

今回もよっぽど検査を受けるのが嫌だったんだろうね」

 

と話していたそうだ。

検査を受けるのが嫌だったから死んで逃げた。

そう言われると、あの祖母らしいなぁ、と思った。

 

 

 

 

 

最初にも書いたが、母方の祖母の死因は「老衰」だった。

祖母はこれまで一度も手術もしていないし、

最後まで一言たりとも、

「痛い」とか「苦しい」とか訴えることはなかったそうだ。

自分も焼香の時に祖母の顔を見たが、

本当にただ眠っているだけのような、安らかな顔だった。

苦しむこともなく、眠ったままそのまま…

これが理想的な死に方かも知れないな~、と思った。

 

 

 

 

 

通夜が終わり、後ろを振り返ると、

驚くほど弔問客が少なかった。

母方の祖母は元々あまり社交的な性格ではなく、

60代ぐらいからはほとんど家から外出することもなく、

それ以降は老人ホームや病室でひとりぼっち。

なにせ100歳を超えているので、

同年代の友人や知り合いも、ほとんど他界してしまっているだろう。

出席者の大半が親族のみという、少々寂しい通夜だった。

 

 

102年。とても長い人生だったが、

ただ長いだけの、寂しい人生だったのかもしれない。

 

 

 

葬儀場の遺族の控え室で、そう考えながら感傷に浸っていると、

突然ガシャンという音が。

従姉妹のお姉さんが急須でお茶を入れていると、

誤って手を滑らせてしまったようだ。

 

「しまった~、このダウン、誰の?」

 

床に無造作に置いてあったダウンジャケットに、

こぼれたお茶がたっぷりかかってしまっていた。

 

「あ~、これ、俺が兄貴からもらったやつ!」

 

自分のダウンジャケットだった。

 

「なんね~、これあんたのね!

あはは、茶の葉のくっついとるし」

 

ケラケラと笑い出す。

母や周りにいた親戚達も大爆笑だ。

いやいや、笑い事じゃないんですけど。

またこれを着て帰らないといけないんですけど。

 

 

 

 

親戚や従兄弟達も就職や結婚等で全国に散り散りになり、

こんな機会でもないと、なかなか集まることもなくなってしまった。

みんな歳をとってオジサン、オバサンになってしまったけど、

今でも昔と変わらず、こうやって可愛がってもらえるのは嬉しい。

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この記事へのコメント
まずは謹んでお悔やみ申し上げます。

>そう言われると、あの祖母らしいなぁ、と思った。
ご生前はお茶目なおばあさまだったようで(´・ω・`;A)
Posted by KAMIJO TATUYA at 2013.01.26 20:59 | 編集
こんばんは。
この度はお悔やみ申し上げます。。。

血縁ではないのですが、何年か前に親戚筋のおばあさんが
92歳で亡くなりました。
同じように病気などではなく老衰でした。
朝まで普通にしていたのが、お昼になってすぅーと眠るように逝ったそうです
親族はできることはしたので自然と受け入れられたと聞きました。
私も人生について考えさせられました。
やはり身近な人の時は特別に感じますね。

どうぞ、お力落としのありませんように。。。

Posted by ウィンド at 2013.01.26 23:40 | 編集
こんばんは~
おばぁちゃんが他界されたんですね・・・。
僕の祖母も数年前になくなったのですが、家庭の事情で育て親だったのでとても悲しい思いをしたことを覚えています。
らすさんの心中お察し致します・・・。

僕の祖母は夜中海に落ちるという悲劇に見舞われたのですが、らすさんのおばぁちゃんは老衰だったのですね・・・。
長い天寿を全うされたおばぁ様のご冥福をお祈り致します。
Posted by セージ at 2013.01.27 00:16 | 編集
おはようございます。
この度はお悔やみ申し上げます。。。
Posted by kozix at 2013.01.27 09:10 | 編集
らすさんへ

謹んでお悔やみ申し上げます。

こんばんはAKIRAです。
いずれ我々にも順番が回ってきますが
それまでは一所懸命がんばりましょ。
Posted by ARAKI AKIRA at 2013.01.28 00:57 | 編集
おばあちゃん・・・102歳でしたか・・・
長生きされましたね!
死因が“老衰”って・・・
病気でもなく・・手術を1度も受けることなく・・・
天命を完うされたんですね・・・
きっと・・・おばあちゃんは今後ちゃんと天国で
らすさん達の事・・見守ってくれることでしょう!
おばあちゃんのご冥福をお祈り申し上げます。
Posted by MASA-K at 2013.01.28 06:39 | 編集
>KAMIJO TATUYAさん

こんばんは(^-^)

そうですね~
嫌なことは絶対嫌!という人でしたね。
検査を受けるぐらいなら死んだ方がマシだ!
そう言われると妙に納得しちゃうんですよねえ。
Posted by らす at 2013.01.28 18:51 | 編集
>ウィンドさん

こんばんは(^-^)

102歳で老衰ですからねえ。
こちらも親族一同、祖母の死を自然なもの、
運命的なものとして受け入れていました。
泣いている人はほとんどいなかったですね。
もちろん悪い意味ではなくて、
「おばあちゃん、長い間お疲れ様でした」という、
これまでの生きてきた苦労をねぎらうような感じでした。

お心遣いありがとうございました。
Posted by らす at 2013.01.28 19:02 | 編集
>セージさん

こんばんは(^-^)

セージさんのおばあちゃんは事故で亡くなられたのですね。
寿命だと諦めもつきますが、
事故はやりきれなかったでしょうね。。

自分は恥ずかしい話、
実は祖母とは何年も会ってなかったのです。
数年前に最後に会った時、
自分のことだけ忘れられていたので、
「どうせ忘れられているんだし」と卑屈になって、
それ以降は会いに行くことはありませんでした。
最後にもう一度、
会いに行ってあげればよかったと後悔しています。
Posted by らす at 2013.01.28 19:11 | 編集
>kozixさん

こんばんは(^-^)
コメントありがとうございます。

これで自分は父方母方両方の祖父母、
皆いなくなってしまいました。

kozixさんもご両親や祖父母、
大事にしてあげてくださいね。
Posted by らす at 2013.01.28 19:17 | 編集
>ARAKI AKIRAさん

こんばんは(^-^)
コメントありがとうございます。

そうですね~
身内が亡くなるたび、
ウチの母も「順番だから仕方ない」と言っています。
いずれ自分たちにもその順番が回ってきますが、
それまで1日1日を精一杯生きていきたいですね。
Posted by らす at 2013.01.28 19:21 | 編集
>MASA-Kさん

こんばんは(^-^)

102年。
「長いだけの人生」と本文では書きましたが、
若い頃は苦労も多かったと思います。
戦争も経験していますしね。
7人いた子供も既に3人、先に逝ってしまいました。
親である自分が生き残って、辛かっただろうと思います。

今頃天国で、
生前のように駄々をこねている頃でしょう(^-^)
Posted by らす at 2013.01.28 19:40 | 編集
こんばんは。
謹んでお悔やみ申し上げます。

普段のらすさんの記事から、らすさんはご家族想いの温かいお人柄だなあと思っていたのですが、おばあ様も本当に素敵な方、おちゃめなおばあ様だったのですね^^
らすさんが皆様に可愛がってもらってる様子を、ダウンと共におばあ様も天国から微笑んで見守っていらっしゃるような気がしました。
安らかに天寿を全うされたおばあ様が、天国でもずっと笑顔でいられますように。
おばあ様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
Posted by canaria at 2013.01.28 20:35 | 編集
>canariaさん

こんばんは(^-^)
コメントありがとうございます。

母方の祖母には子供の頃、とても可愛がってもらいました。
通夜では参列者も少なく、
ちょっと可哀想だなと思ったので、
ひとりでも多くの人に祖母のことを知ってもらいたくて、
今回の記事を書きました。
祖母のために少しでも思いを馳せていただければ、
これほど嬉しいことはありません。
本当にありがとうございました(^-^)
Posted by らす at 2013.01.29 19:05 | 編集
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